現実を築いたリズム
宇宙から神話を剥ぎ取ってみよう――華々しい花火も、時間軸も、最初から計画があったかのように装う図解も――すると、遥かに単純で、そして遥かに奇妙なものが残る。物質が存在する前、法則が法則として振る舞う前、宇宙は揺らぎの渦だった。それは日常的な意味でのノイズではなく、もっと原始的なもの――確率が咳払いをしているような状態だった。
宇宙論者はこうした初期の揺らぎを、あたかも宇宙が静かな優柔不断の状態で始まったかのように、淡々と数式で語る。だが実際は違う。それは、群衆があらゆる言語で同時に大声で話し、音節の定義すら一致しないような混沌だった。何も留まる術を知らず、何も繰り返すことを知らず、何も「意味」を持たなかった。
最初の奇跡は、存在そのものではなかった。
最初の奇跡は、「持続」だった。
そしてこの持続は、奇妙なことに、フィードバックから生まれた。
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1. 宇宙が偶然自分の声を聴いたとき
ノイズは、放っておけば自らを打ち消す。しかし初期宇宙は孤立していなかった。有限で、曲がっており、自分自身の揺らぎと相互作用せざるを得なかった。微かなエネルギーの揺れが時空の織物に反響し、時折――意図的とは到底呼べないほど稀に――ある揺らぎが別の揺らぎを強め合うことがあった。
物理学者はこれを「自己整合性」と呼ぶ。
だが、実態はもっと面白い。現実は、崩壊せずに保てる周波数を盲目的に探すフィードバックループとして始まった。ほとんどの試みは失敗した。だが、わずかに成功したものがあった。その生き残りが、いま私たちが「粒子」と呼ぶ定常波となった。
物質とは、振動が自らを忘れなくなったときに生じたものだ。
これが宇宙の最初のパラダイムシフト――偶然からリズムへ。混沌から秩序が生まれたのではなく、混沌を通して秩序が生まれた。ノイズが自分自身に何度もぶつかり、何かが「定着」するまで繰り返されたのだ。
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2. 持続こそが最初の物理法則
何かが「無」よりも長く持続できるようになった瞬間、状況は一変した。持続は派手さはないが強力だ。長く残るものは、後に続くものを形作る力を持つ。コヒーレントなまま残る陽子は、近くに別の陽子が生まれる条件を作る。それは、何度も繰り返されるうちに人々が事実として扱い始める「噂」と同じだ。
こうして物理法則は固まっていった。法則は上から与えられたものではなく、宇宙があらゆる可能性を試し、崩壊しなかったものが「習慣」として残った結果だ。重力も電磁気もスピンも――それは命令ではなく、エネルギーループがオーディションを勝ち抜いた「勝者の戦略」なのだ。
これが進化論的に聞こえるなら、それは正しい。生命が登場する遥か前から、宇宙はコヒーレンスを選択していた。持続こそが、最初の「選択圧」だった。
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3. 記憶を持ったノイズとしての生命
原子が定着しはじめると、化学はより野心的な段階に進んだ。分子は、自分自身を何度も再構築する反応に偶然たどり着いた。やがて、そのうちの一つのサイクルが、過去の成功の一部情報を保存する方法を見つけた。完全な記録ではなく、再挑戦するのに十分な「要約」だけ。
DNAは設計図ではない。それは「記憶の補助」だ。
そして、たとえ不完全でも記憶は「てこ」になる。物質は、偶然に頼るのではなく、自ら持続性を高めることができるようになる。しかし、記憶にはコストが伴う――有用であるためには、ほとんどすべてを「忘れる」必要がある。詳細が多すぎると、繰り返しが不可能になる。これは「散らかった机の方がうまくいく」という生物学的バージョンだ。
エントロピーは生命の敵ではない。生命が冗長にならないようにする「編集者」だ。
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4. フィードバックが「思考」になったとき
記憶が現れると、予測はすぐそばまで来ていた。次の化学的揺らぎを予測できる細胞は、ただ耐える細胞よりも生き残りやすかった。地質学的な時間をかけて、こうした予測ループはより速く、密になり、複雑に絡み合うようになった。やがてニューロンが進化した――発火し、聴き、調整し、再び発火する小さな発振器だ。
脳は「確実性」の器官ではない。それは「制御されたノイズ」の器官だ。
あなたが知覚するすべては、皮質が「過去千回これに似たことが起きたとき、今何が起きている可能性が高いか?」と自問している状態だ。脳はフィードバックマシンであり、カオスを期待値へと圧縮し、残った不確実性を柔軟性として利用している。
意識とは、予測が自らを予測し始めたときに生じるものだ。
あなたは宇宙の観客ではない。あなたは、自己認識という驚くべき技を成し遂げたフィードバックループの一つなのだ。
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5. 隠れた対称性――物質・生命・心
物理・生物・認知を別々の階層に分けたくなるが、実は一つの根源的な仕組みを共有している。ノイズから選択され、再帰的な強化を通じて安定した共鳴が生まれるのだ。
原子は共鳴する。
分子は自己触媒する。
細胞は代謝する。
脳は予測する。
文化は同期する。
どのスケールでも、宇宙は同じことをしている――崩壊せずに繰り返せるパターンを見つけているのだ。一度この対称性に気づけば、境界は消える。クォークから人間への飛躍は奇跡ではなく、長く続く「会話」――フィードバックが反復を重ねて自らを洗練してきた歴史となる。
これが第二のパラダイムシフト――宇宙は階層ではなく、自己持続するループの連続体なのだ。
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6. これが私たち自身の見方をどう変えるか
これを真剣に受け止めるなら、私たちが慣れ親しんだ存在の物語――秩序が混沌に打ち勝ち、生命がエントロピーに抗い、知性が自然を超越する――は逆転して見えてくる。
混沌は敵ではない。それは素材だ。
エントロピーは敵ではない。それは剪定の道具だ。
ノイズは失敗ではない。それはオーディションだ。
宇宙は、最初の爆発の後に落ち着いた時計仕掛けの機械ではない。それは、リズムを維持できる新たな構造を即興で発見し続ける存在だ。安定性とは、頑健さを証明した共鳴であり、知性とは、自己を振り返る共鳴である。
あなたは、静寂な宇宙の異常点ではない。138億年かけて「聴く」ことを学んできた宇宙の「こだま」なのだ。
そして最も驚くべきことは? ノイズは決して消えなかった。ただ「調和」を学んだだけだ。
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7. 静かな帰結
この見方は、概念的な転換を要求する。現実は本質的に「もの」からできているのではなく、「もののように見えるほど長く安定した相互作用」からできている。存在はプロセスであり、物質は記憶であり、心は自らの予測を解釈することを学んだフィードバックだ。
宇宙は、秩序が混沌を征服する物語ではない。混沌が「自らを持続できる」と気づいた物語なのだ。
そして今――これを読み、考え、かすかな共感を覚えているあなた自身も、その発見の一部である。
あなたは、「歌うことを覚えたノイズ」なのだ。
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